事務局さん、どうしたんですか？
難しい顔をしていますが、何か困ったことでもありましたか？

はい、そうですね。

詐欺被害=泣き寝入り、のイメージを持っている方は多いですよね。
では、具体的にはどうやって詐欺被害に対応できるのか、
今日はそれについて教えましょう。

特定商取引法が適用される契約だと、
クーリング・オフなどの制度がありますが…。

一度に話すと混乱しますから、
クーリング・オフ制度については後日に話すとして、
今回は基本的な対応とその流れについて話しますね。

まずは、詐欺の相手方に「返金せよ」という通知を送ります。
その時に、根拠となる法律を一緒に記載します。

被害の内容によって異なりますが、
特定商取引法や、消費者契約法を使うことが多いです。
この法律についても、別の機会で詳しく教えますね。

通知が相手方にいったあと、交渉が始まります。

そうですね！
やはり相手方も反論してきますし、
交渉方法も、口頭や書面など、様々なものが考えられます。
相手方に代理人が就任することもありますよ。
 

そうです。通知をした側と相手方、双方納得がいくと和解になります。
そこで、和解合意書や、和解契約書と呼ばれる書面を締結します。

そうですね。その後、和解額が返金されて、無事終わりです。

どうしました？

そこで諦めるのは早いですよ。

ええ、相手方を調べる方法があります。

まず、相手方の所在地が記載されている場所として、以下が考えられます。

副業詐欺の場合だと、
最初に購入した電子書籍にも記載があったりしますね。

決済方法、つまり、支払い方法によって調べ方が異なります。
ところで、詐欺被害に遭った方の支払い方法にどういったものがあるのか、
事務局さんは分かりますか？

正解です。
あとは、電子マネー（ビットキャッシュや、ネットライドキャッシュ等）
などがあります。

他に、設置されている機械（マルチコピー機や、Loppi）を
操作して購入もできますよ。

まずは銀行振込から説明しますね。

銀行振込をしたときに、必ず振込明細が手元に残るかと思います。
明細には振込先口座の情報がありますが、
支店名などから、振込先の会社の所在地を調べることが出来ます。

支払った証拠としても、取っておいた方がいいですね。
次にクレジットカードの支払いの場合は、
クレジットカードの支払い明細から調べます。
利用先に記載されている情報から、辿っていく方法ですね。

クレジットカードでの支払いの場合、相手方とクレジットカード会社の間に、
決済代行会社が入っていることが多いんです。
利用先を見れば、どこの決済代行会社が入っているかが分かるので、
そこに対して、相手方の所在地などの照会を行います。

あとは、電子マネーですね。
電子マネーには、管理番号が付与されています。
管理番号を電子マネーの発行元会社に伝えて、
「どこに使っているか」を調べてもらいます。
そこから、相手方の所在地が分かるんですよ。

そうですね。
これも振込明細と同じく、支払った証拠としても取っておくべきものですね。

諦めるのは早いですよ。

振込明細の場合は再発行ができるかもしれませんし、
電子マネーの場合は、購入時のレシートでどうにかできる場合もあります。

そうですね。弁護士がやっても、交渉がうまくいかないときはあります。

なんで急に距離を取るんですか…。
事務局さんが想像していることは分かりますが、そんなことはしませんよ。
交渉以外でも、クレジットカードの制度を使ったり、警察と連携したり、裁判所を通した手続きをしたり、できることは色々あります。
状況に応じた様々な手段がありますから、また一緒に勉強しましょう。